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みにくいアヒルの子はみにくいアヒルのままなのか?子供の身長と遺伝の深い関係

 

 

子どもの身長が高くなるのか、低くなるのか。子供の身長予測、これには両親の身長が大きく関係するようです。

 

子供の身長が伸びない原因は、身長が伸びない自分の遺伝のせいだと悩んでいる方もいらっしゃると思います。

 

子供の身長にどれぐらいの割合で遺伝的な要素は関係するものなのでしょうか。

 

また、ご両親の身長からお子さんの将来の身長が分かる計算式も合わせてご紹介したいと思います。


子どもの身長を決める遺伝的要素の割合は高いのか低いのか

 

「うちのクラスの〇〇ちゃん、ものすごく背が高いのね。クラスで一番ぐらいかしら」


 

「だって、あのお宅は、お父さんもお母さんも2人とも背が高いからね。〇〇ちゃんも、ご両親に似たのね」


 

こんな子供の身長にまつわる会話、ママ友の間でよくしていませんか。

 

みなさんの周りの実体験から、遺伝の影響で背の高い両親の子どもは背が高いケースが多いし、背が低い両親の場合は子どもの背も低いような気がすると感じている人も多いと思います。

 

子どもの身長が伸びない原因は、私の背が低い遺伝子のせいなどと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

また、両親のうち片方の背が高くて、片方が低い場合は、子どもが2人生まれたら、どちらかが高くて、どちらかが低くなる、こんな感覚もお持ちかもしれません。

 

確かに、子どもの身長の高い低いに遺伝的要素が関係していることは確かです。両親の身長の要素が遺伝する確率は研究者によって数字に違いがあるとはいえ、遺伝的要素は比較的高いことがこれまでの研究で明らかになっています。

 

日本人の研究者は身長が遺伝する割合は23%と説く

子どもの身長を決定する要素に、遺伝はどれぐらいの割合で影響するのでしょうか。研究者によってその数字はまちまちですが、まずは日本人の身長に関する遺伝の研究からご紹介します。

 

京都大学名誉教授の川畑愛義氏の身長と遺伝の研究によりますと、

 

  • 遺伝23%
  • 栄養31%
  • 運動20%
  • 環境16%

と子供の身長の遺伝的要素は4分の1を占めています。

 

ただ、逆に考えれば、子供の身長は遺伝だけではなく、たくさん食べているか、適度な運動をしているかなどといった残りの4分の3の要素で、子どもの身長にはいかようにも変わってしまう、あるいは遺伝に関係なく変われる可能性が残されているということがいえます。

 

背の低い両親の遺伝子を持つ子どもにとっては、身長を伸ばすためにたくさん食べて、適度な運動をすれば、自分の背は伸びるかもしれないと希望がもてる数字です。

 

イギリスでは子供の身長の遺伝的要素は80%と報告

一方、イギリスでは、日本の研究所とは真逆の数字が報告されています。2014年にイギリスのエクセター大学などの国際研究チームは人の身長を決める遺伝子変異を700個近く特定したと発表しました。

 

25万人以上のDNAを比較して突き止めましたが、700個の遺伝子の特定というのは、すごい!と思うかもしれませんが、身長を決める遺伝子のうちのまだ2割程度にしかあたらないということです。

 

さて、このような身長と遺伝に関する研究を積み重ねてきた、イギリスのこの研究チームによると、子供の身長を決める要因の8割以上が遺伝だというのです。残りの2割未満が、遺伝以外の「栄養や環境的影響によるもの」だとしています。

 

単純計算しても、全部で3500もの遺伝子が子供の身長の決定に関係していることになります。

 

ちなみに、「栄養」というのは、先ほども説明したように、どれだけたくさん食べたか、栄養バランスが取れた食事を取っていたかという要素ですね。

 

「環境的要因」というのは、気候や住んでいる場所が身長差に関係していることで、砂漠・乾燥地帯に住む民族が165cm 以上と背が高い傾向にあり、山間部に住む民族は155cm 末満と背が低い傾向があるという調査結果を発表しています。

 

2割の他の要因が関係しているとはいえ、8割という高い数字で子供の身長に遺伝が関係しているというのはかなり驚きの数字です。また、身長に関する遺伝子の解析もまだ半分以上が「分かっていない」という状況です。

 

身長に関する3500ものすべての遺伝子の解析結果によっては、「8割が遺伝」という数字も変わってくる可能性がありますので、今後の遺伝子の研究に注目したい所です。

 

遺伝から推測される子どもの将来の身長の計算式は真実を伝えているのか?

このように、遺伝的要素は多かれ少なかれ、子どもの身長に影響を与えるには違いないことから、両親の身長から子どもの将来の身長を予測するさまざまな計算式があります。

 

例えばこのような式です。

男子は両親の身長を足したものに13を足し、それを2で割ります。女子は両親の身長を足したものから13を引き、それを2で割ります。

 

日本人の研究者たちが考案した子供の身長予測の計算方法で、1990年に日本小児科学会で発表されました。

 

試しに計算!

まず、私の親戚の姉妹とその両親の身長を使って、子供の身長を予測計算してみたいと思います。

 

伯父さんの身長は170センチ。伯母さんの身長は162センチです。

 

 

これを先ほどの子供の身長予測の女子の計算式に当てはめて計算してみると、

 

(170+162-13)÷2=161.5cmとなります。

 

実際のこの姉妹の身長は、姉が159センチ、妹が164センチです。偶然にも161.5センチというのは、この姉妹の身長の真ん中あたりです。

 

一人一人の身長でみますと、「3センチも違う」という結果とも取れますので、この計算式は子供の身長の予測計算としては確実なものとはいえませんが、大幅に違うということはなさそうです。

 

また、同性同士のきょうだいで、身長がほぼいっしょというのも、なかなか考えにくいもでもありますので、これぐらいの差は予測計算式としては、仕方がないかもしれません。

 

さて、今度は、身長169センチのお父さんと身長159センチのお母さんの、まだ小学生の2人の子どもがどのような背になりそうなのか予測計算をしてみます。

 

子どもは女の子と男の子が一人ずつです。お父さんは身長160センチ台ということで、男性としては低めですね。お母さんは平均的な身長ですね。

 

ご両親は、「せめて男の子の方は遺伝せずに自分よりも伸びてほしい」と願っているかもしれません。では、さきほどの身長予測の計算式に当てはめてみます。

 

すると、女の子は159.5センチ、男の子は172.5センチと出ました。男の子はお父さんを超えましたね。

 

これが真実な数字かどうかは10年後を楽しみにするとして、これぐらいの身長にはなれる要素を持っています。

 

身長が伸びないと悩んでいるお子様も、少なくともこの数字は目標にしてみようという「目標とする身長」という数字と考えるといいと思います。

 

海外の身長予測計算式でもほぼ同じ結果に

参考までに、もう一つ計算式をご紹介します。こちらは、海外の研究者が2012年に「小児科疾患アーカイブ」という医学雑誌で発表したもので、計算方法は先ほどのものより、少し複雑です。

・男子の予測身長=44.5+0.376×父親の身長+0.411×母親の身長
・女子の予測身長=47.1+0.334×父親の身長+0.364×母親の身長

これに、先ほどの小学生の男女のきょうだいが将来、遺伝の影響でどれぐらい背か高くなるのかを計算してみます。

 

すると、男の子が173.393センチ、女の子が161.422センチと、少しばかり、こちらの計算方法の方が数字が高く出ました。

 

みなさんもご自身の身長、ご両親の身長を入れてみて、確かめてみたり、子どもの将来の身長を計算してみたりするとおもしろい結果が出るかもしれません。

 

両親の身長が低くても子どもは背が高くなれるのか

仮に、冒頭でご紹介したイギリスの研究チームの遺伝子の報告が正しかったとして、身長を決定する要素の8割が遺伝だということになると、背が低い両親にとっては、残りの2割の要素で何とかなるものなのだろうか…と不安になってしまうかもしれません。

 

しかし、遺伝の影響が8割で高いといっても100%が遺伝ではないわけですから、残りの要素で変わる可能性は残されていることを忘れてはいけません。遺伝とは関係なく、子供の身長を伸ばせる可能性はゼロではないのです。

 

また、計算式から予測された子どもの将来の身長も、それが正しい確率は80%ぐらいのものだと考えましょう。

 

もしかしたら、注意が必要なのは「うちの長男の身長、思っていたよりも高くなるじゃない!」と喜んだ方のほうかしれません。その他の要因で計算結果よりも低くなる可能性だって十分ありえます。

 

子供の身長が伸びない原因を解明!

 

子供の背が低いのは、100%遺伝だけの要素ではありません。子供の身長を伸ばすカギはご両親にあります。子供の身長を伸ばすために、遺伝以外の生活環境に配慮することが重要です。

 

白鳥になるはずだった子がアヒルの子のままで終わってしまうことがないように、子供の身長が伸びるようにお子さんの食事・睡眠・運動をしっかりと見守っていってあげてくださいね。

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