
横に大きくなるのはよくない!?子供の身長の伸びと肥満の関係
子どもの時太っていると、身長が伸びにくくなるって知っていましたか?
身長を伸ばすためには、ただたくさん食べればいいっていうわけではないのです。
体重は増えているのに身長があまり伸びていないという場合は、もしかすると「肥満」が原因かもしれません!
現代は肥満は大人だけの問題ではなく、小児肥満が増えています。あなたのお子さんは大丈夫ですか?
太ると身長が伸びにくくなる。それには思春期と成長ホルモンが関係している
乳幼児の時は太っている子は身長も高いことが多く、肥満かもと心配する親はあまりいないと思います。
多少ぽっちゃりしてる方が可愛いと思ったり、また、体重が増えている分、そのうち伸びるだろうと楽観視しがちです。
それなのにある日気がつくと、いつまで経っても身長の伸びが悪いわけです。
なぜ太っていると伸びにくくなるのでしょう。それには2つの理由があります。
1つ目は成長ホルモンの分泌が低下するからで、2つ目は思春期が早くきてしまうからです。
肥満になると脳は栄養が豊富で充分成長していると考えてしまいます。そうなると成長ホルモンの分泌が減ってしまいます。
また、脂肪細胞からレプチンというホルモンが分泌され、性成熟を早めるので、思春期が早くきてしまうのです。
思春期がくると身長の伸びがピークを迎え、その分早く骨端線が閉じ、身長が伸びなくなるのです。
思春期を迎えるのが遅い方が、身長が伸びる期間が長くなります。(思春期が遅くなり過ぎる場合は、思春期遅発症の場合もあります。)
それでは、どのくらいから肥満と判断するのでしょうか。見た目だけでは判断しにくいですよね。
そんな時は「肥満度」を求めるといいですよ。
肥満度とは、標準体重と比べてどのくらい体重がオーバーしているかを表したものです。「(実測体重−標準体重)÷標準体重×100」の式で求められます。
20%以上は軽度肥満、30%以上は中等度肥満、50%以上は高度肥満と判断されます。
ちなみに、この計算式は学童期用で、思春期以降はBMI(Body Mass Index)を求めて判断します。
BMIは「体重÷身長÷身長」の計算式で求められます。25以上は肥満と判断され、数値が大きくなるほど肥満度が高いということです。
また、当然ながら痩せ過ぎていてもよくありません。痩せ過ぎているということは、栄養が足りていない状況であるということですよね。
そんな状態では、身体は身長を伸ばす余裕がなく、身体を動かすだけでエネルギーを使い切ってしまいます。
最近は、特に女の子が早くからモデルやアイドルなどを見て「痩せ」に対する憧れを持ち、無理なダイエットをする子が少なくありません。
小学生の頃から太っているとか気にするなんて、わたしのまん丸だった小学生時代はどうなるのでしょう。
身長を伸ばすだけでなく、適切な時期に思春期を迎えるためにも、ある程度の体重は必要です。親としては太り過ぎにも、痩せ過ぎにも気をつけてあげなくてはいけません。
肥満予防には運動とカロリーコントロールが大事
わが子が肥満であると判断された場合、なんとかして標準体重にしたいと思いますよね。
ちなみに、多少の肥満なら焦る必要はありませんよ。あと1キロ痩せたら標準体重だから!という程度でムキにならなくても大丈夫です。
子どもはボクサーでもジョッキーでもないですから。そういう場合は、それ以上太らないように気をつけてあげたらいいのです。
体質によっては、その子の健康をキープするために、その体重が必要という可能性もありますからね。
明らかに肥満である場合は、対策を練りましょう。
1番物理的に簡単なのは、食べる量を減らすことですが、それって大人でも難しいですよね?我慢していたらストレスになるし、リバウンドという恐ろしいものがその先にちらっと見えませんか?はい、何度も経験していますよ、わたし。
出来れば食事の量は急に減らさず、カロリーを控えましょう。
例えば、今までジュースを好きなだけ飲ませてたら、お茶やお水に変えてください。ジュースは時々にしましょう。
それから大好きな甘いお菓子!「やめられない止まらない?!」ですが、これらも量を決めて食べないといけませんね。
それから脂っこい食事も控えめにしましょう。脂っこい食事はコレステロールを多く含み、性ホルモンの量を増やす可能性もありますから、大人だけでなく身長をなるべく伸ばしたい子どもも摂りすぎは厳禁です。
スナック菓子もたくさん食べるのはよくありません。カロリー面だけでなく、スナック菓子やインスタント食品に含まれる食品添加物はカルシウムの吸収率を下げてしまいます。
食べる量を減らすと同時に、運動量を増やすのも大切です。消費カロリーを増やせば、脂肪にならずに済むからです。
しかし今までほとんど身体を動かしていなかった場合に、急に激しい運動をさせることはお勧めしません。まずは散歩程度から始めて、徐々に増やせばいいのです。
わたしのお勧めは「縄跳び」です。縄跳びならいつでも出来ますし、結構な運動量になりますよ。しかし、これもほどほどにしないと太っている場合は膝に負担がかかりますので、ご注意ください。
もし家庭ではどうしようもないほど太ってしまっている場合は、病気が隠れている場合もありますので、お医者さんに相談する方がいいかもしれません。最近は「小児肥満」専門外来などもありますので、一度検索してみてくださいね。
“間食=補助食”と考えよ!ポイントは“食へ?る時間”と“食べるもの”
肥満であったとしても、今まで間食をしていた子どもが「おやつ抜き」を宣言されるのはつらいものです。それならば出来るだけ「身長が伸びる」とか、「ローカロリー」なおやつにしたいところですよね。
わが家でよく登場するおやつは「焼き芋」、「冷凍バナナ」、「きな粉餅」です。
冷凍バナナはバナナの皮をむいてサランラップで包んで冷凍庫に入れておくだけ。
夏の暑い日にアイスの代わりに食べるのがお勧めですよ。バナナだけで充分甘みがありますし、腹持ちもいいですしね。
それからきな粉餅は、白玉粉でお団子を作り、きな粉と少しの砂糖をかけます。簡単なので子どもと一緒に作ると楽しいですよ。
あとは果物や、チーズもよく食べますね。チーズはクラッカーにつけて食べてもいいですね。おやつは必ず1人分を小皿に入れて、食べる量をあらかじめ決めておくのも忘れずに。
小学生くらいになると、お友だちの家でおやつをいただくこともあり、毎日こういうおやつというわけにはいきませんから、自宅で食べる時は、なるべく気をつけてあげましょう。
それでは、間食する時間は何時頃がいいのでしょうか?食後すぐと、いわゆるおやつの時間「3時」に間食する場合を比べて考えてみましょう。
食事をすると血糖値が上がり、「インスリン」が分泌され血糖値を正常に保とうとします。
インスリンは血糖値を下げると同時に、消費されずに残った炭水化物などを脂肪細胞に蓄えようとします。
ですから、食後に甘いものなどを食べると血糖値がさらに上がってしまい、体に蓄えられる分が増えることになります。
それでは、3時頃に間食する場合はどうでしょう。
食後2時間ほど経過すると、血糖値はほぼ正常に戻ります。ですから、このくらいの時間に間食をとっても、血糖値が急上昇することはありません。
また、血糖値が下がり過ぎると脳の働きが鈍り、勉強などがはかどらないことにも繋がります。
それから、空腹時間が長過ぎると、次の食事で必要以上に身体にエネルギーを蓄えておこうとします。さらに空腹が食欲を増して、ついつい食べすぎてしまうことにもなります。
ですから、3時頃に間食を取る方が、ダイエットにも脳の働きにとっても良いということになります。
ただ、先ほど述べたように、好きな物を好きなだけ食べるのは危険ですよ。食べる物と食べる時間を選べば、間食は決してマイナスにはなりません。それどころか、補助食として身長をぐんと伸ばす手伝いをしてくれますよ!
良かれと思ってたくさん食べさせていたら、肥満になっていて、逆効果だったなんてこともありますよね。
子どもの食欲のままに食べさせたいけど、食べさせられない親の葛藤もあるでしょう。それでも、将来肥満のままで、身長も伸びなかった姿を想像すると、今のままで良いのでしょうか?
親子共に、なるべくストレスのない方法で肥満を解消出来るのが一番ですよね!その子に合った方法を一緒に考えて、頑張りましょう!
